間をぬく、或いは(京都)
本展の会場 両足院(建仁寺内)は、通常非公開の臨済宗建仁寺派の禅寺。
禅と聞くと、「無になる」ということが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
実は、禅における「無」は「何も考えないこと」や「心を空っぽにすること」ではありません。
“内と外”や“自と他”の境界線を無くすという意味での「無」なのだそうです。
そこで本展では、境界線、つまり何かと何かの「間」に着目し、その間を抜くことで「無」に繋がることを目指しました。
隙間時間を「無駄な時間・非効率な時間」と捉え、一秒でも間を埋めることに追われている私達。
ZOOMやclubhouseなど、ツールが発達すればするほど、その流れは駆り立てられ、加速しているように感じます。しかし、本来テクノロジーの発達や効率化は、「ゆとり」や「豊かさ」をもたらすためだったはず。
本展では「ただ只管に作品、禅寺と向き合う時間」を提案することで、
ご来場の皆様に、いつも埋めている「間」を抜く時間を過ごして頂ければと考えています。
ところで、この「作品・禅寺と只管に向き合う鑑賞体験」は本当に「間を抜いている」のでしょうか。
もしかしたら この鑑賞時間もやはり「間を埋めている」のかもしれません。
そこで、展覧会タイトルを「間をぬく、或いは」としました。
禅寺での「間を抜く」体験を、ご来場の皆様はどう感じ、どう消化されるでしょうか。
◆日時:
前期:3月19日(金)~21日(日)
後期:3月26日(金)~28日(日)
◆会場:両足院(建仁寺内)
◆出展作家:
・品川亮(絵画)
・大東真也(彫刻)
・高畑彩佳(日本画)
・野田ジャスミン(陶芸)
・吉見紫彩(絵画)
◆空間演出:jyu +、SMOL
◆企画:YOMAFIG.